放射線治療とは?

 

放射線治療の副作用

複数のメリットがある放射線治療ですが、放射線照射による副作用や後遺症が起きる可能性があります。しかし、放射線治療の副作用は、放射線を照射した場所のみに起きるという特徴があり、放射線を照射していない場所には原則として副作用は出ません。また治療を行っている期間に見られる副作用と、治療終了後に見られる後遺症があります。

放射線治療中の副作用

がん細胞の周囲には正常な組織があります。放射線を照射することで、それらの正常組織も影響を受け、皮膚炎や脱毛などの症状が起きることがあります。しかし、これらの症状は放射線治療後に自然に落ち着いてきます。

放射線性皮膚炎

放射線を照射した場所の皮膚が軽いやけどのような状態になります。皮膚に赤みが出たり、乾燥やかゆみが出るケースもありますが、治療終了後、数週間以内にほとんどの症状が消失します。治療中は放射線を照射した場所の皮膚はやさしく扱ってください。洗うときにはぬるま湯を用い、ゴシゴシと洗わないようにすると良いでしょう。

脱毛

頭部に放射線を照射した場合、脱毛も見られます。頭部以外に照射して脱毛が起きることはありません。つまり腹部の治療で脱毛することはありません。治療終了後には、ほとんどの患者さんは再び毛髪が生えてきます。

口や喉の乾燥(ドライマウス)

頸部や胸部への放射線治療では口や食道の粘膜が炎症を起こし、食事を摂るときに喉がしみたり痛んだりすることもあります。また、唾液が出づらくなって口の中が乾燥した状態になることもあります。症状が現れたときには、豆腐などの口当たりがなめらかな食材を摂ったり、定期的にうがいをすることをおすすめします。

全身の倦怠感

治療中に全身に倦怠感が現れることもあります。倦怠感がひどく食事が摂りづらい場合は、点滴などで栄養分の補充をすることもあります。照射が終わると症状は自然に軽減していきます。

放射線治療後の後遺症

放射線治療が終わった後にも改善しない副作用、また、放射線治療が終わった後に現れる後遺症もあります。

放射線肺炎

胸部に放射線を照射した場合、肺に影響が出ることがあります。肺の組織が炎症を起こして「放射線肺炎」とよばれる症状が現れることがあります。放射線肺炎は放射線照射後すぐには現れず、1~3ヵ月後に現れることケースが多いです。はじめは無症状ですが、徐々に発熱、長引く咳などの症状が現れ、軽い呼吸困難が起きることもあります。症状が軽い場合は、自然に治っていきますが、重症になると、お薬による治療が必要になるケースもあります。

放射線性直腸炎・放射線性膀胱炎

腹部に放射線を照射した場合、直腸や膀胱の粘膜が障害を受け、「放射線性直腸炎」や「放射線性膀胱炎」と呼ばれる状態になることもあります。長引く下痢や、下血、血尿や排尿時の痛みといった症状が現れます。症状がひどい場合は、解熱剤、鎮痛剤、止血剤などで治療を行います。

以上が代表的な放射線治療の副作用です。しかし、注意して頂きたいのは、これらの副作用は、治療を受けた方全員に見られるわけではないということです。むしろ、いずれの症状も比較的まれなケースであり、照射していない部位には副作用は現れません。わたくしたち放射線治療センタースタッフもやさしい放射線治療を心がけております。