放射線治療の流れ

 

乳がんの治療について

乳がんの種類

乳がんは、大きく、非浸潤がん・浸潤がん・パジェット病の3つに分けられます。がんのタイプにより、治療法は異なります。

乳がんの種類

非浸潤がん:がん細胞が乳管内あるいは小葉内にとどまって転移しないがんです。手術で切除すれば完全に治すことが期待できます。

浸潤がん:がん細胞が、乳管や小葉の膜を破って外に広がった段階を浸潤がんといいます。血液やリンパ液に乗って離れた組織や臓器に転移する可能性もあります。

パジェット病:乳管がんが主乳管を通って、乳頭・乳輪に進展し、びらんをともなう湿疹ができる乳がんの特殊な型です。比較的性質のおだやかながんです。

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乳がんの治療法

乳がんの治療には、大きくわけて局所療法と全身療法があり、この2つの治療法を組み合わせ、併用して治療することが大切です。

乳がんの治療法

局所療法:手術療法、放射線治療
全身療法:抗がん剤治療、ホルモン療法

乳がんの原発部分とリンパ節転移を手術などの局所療法により、きれいに根治的に切除をしても、乳がんはすべての症例において治癒するわけではありません。なぜなら、局所療法は目に見えるがんの根治を行っているにすぎないからです。局所療法とあわせて、目に見えない遠隔転移の治療である抗がん剤治療およびホルモン療法を行うことが大切です。
乳がんは浸潤がんでは小さいうちから小さな転移を起こしている事があると考えられています。小さいうちにがんを発見して全身への微小な転移を適切な治療で消滅させ、病気を乗り越えていきましょう。
外科医は不要な手術を回避するべきであると考えていますが、今現在の乳がん治療においては、局所の切除と進行具合の評価という意味で手術が必要とされています。

乳がんの手術

乳がんの手術治療には、乳房温存手術と乳房切除術があります。また、転移があるかないかを病理検査で調べるために、腋窩リンパ節郭清術やセンチネルリンパ節生検という方法もあわせて行います。

乳がんの手術

乳房温存手術:がんとその周囲の乳腺組織だけを取り除き、乳房を残す治療法です。手術後、残した乳房にまだ存在する可能性があるがん細胞に対しては放射線治療を行います。また、乳房以外に存在している可能性がある微小転移巣に対しては、化学療法・ホルモン療法を行います。

乳房切除術:がんのできた側の乳房を全部切除する手術です。がん治療において、大切なことは乳腺内に存在するがん細胞を可能な限り完全切除し、再発率を下げることです。そのためにも乳房切除は大切な手術方法です。

腋窩リンパ節郭清術:脇の下のリンパ節を切除する手術のことで、切除したリンパ節を調べて、がん細胞がいるかどうかをチェックします。リンパ節内にがん細胞が存在すると、全身にがん細胞が転移している可能性を疑います。がん細胞を残さずの取り除くための手術です。

センチネルリンパ節生検:リンパ節郭清術には、腕がむくむなどのリンパ浮腫の合併症があります。この合併症を防ぐために、手術中にリンパ節転移の起こりやすい部位のリンパ節を検査し、そこに転移がなければリンパ節郭清を省略する、センチネルリンパ節生検という検査が行われています。

乳房温存手術について

乳房温存手術について

乳房を温存するという美容面ですぐれており、患者さんの身体的・精神的満足度の高い手術であり、20年生存率も胸筋温存乳房切除術とほぼ同等の成績です。
しかし、20年以内に5~15%の確率で残存乳房内にがんが再発し、乳房の再切除が必要となることもあります。それを防ぐために、術後に5~6週間の放射線治療を必要とします。この放射線治療により、乳房の皮膚がやけどし硬くなる可能性があることを患者さんには必ずお伝えしています。
また、がんを取り残す可能性がある場合など、どうしても温存手術ができない場合もあります。

乳房温存術の適応

腫瘍の大きさが3cm以下であること。
画像診断で広範な乳管内進展を示す所見がないこと。
多発病巣のないもの。
放射線治療が可能なもの。
患者様が乳房温存手術を希望されること。
このように、乳房温存手術を選択するためには様々な条件をクリアしないといけません。
治療方針については、まず主治医の先生にご相談ください。

乳房再建について

乳房再建には、“人工乳房を使用する“”身体の他の部分から皮膚・脂肪・筋肉の一部を移植する“ と、この2つを併用する方法があります。
また、乳房再建には、乳がんの手術と同時に行う一期的再建手術と乳がんの手術が終了し一定期間が経過してから再建手術を行うのが二期的再建があります。
いずれにしても、まずは乳がんの治療をしっかり受けることが必要です。治療が一段落してから再建手術に臨んでも良いのではないでしょうか。
まずは、主治医とともに一緒に考えましょう。

放射線治療について

放射線にはがん細胞を死滅させる効果があります。正常な細胞にもわずかな損傷を与えますが、照射方法を工夫することにより腫瘍の縮小や増殖抑制、再発予防など、さまざまな治療効果を得ることができます。

放射線治療の方法

乳がんの治療において放射線治療を行う場合は、以下の方法があります。
①外科手術でがんを切除した後に乳房領域の再発を予防する目的で行う場合(術後放射線療法)----大部分がこれに相当し、手術内容により乳房温存術後の場合と乳房切除後の場合があります。
②進行した乳がんで手術が困難な場合に、抗がん剤による化学療法と組み合わせて放射線治療を行う場合(化学放射線療法)
③高齢者や合併症などのために手術や抗がん剤による化学療法ができない場合に放射線治療を行う場合(準根治療法としての放射線治療)
④乳房切除後の局所再発やリンパ節への転移、骨への転移などに放射線治療を行う場合(姑息的放射線治療)
⑤疼痛を伴う骨転移などに主として除痛効果を目的に放射線治療を行う場合(緩和的放射線治療)

実際の照射方法

放射線を照射する範囲や線量は、放射線治療を行う目的や部位、広がりの程度によって異なります。照射は通常、週5回(月~金)、25回、5週間前後です。手順としては、最初に治療計画CTを撮影し、治療計画用コンピュータで線量を計算して、患者さんごとにもっとも適した線量の分布が得られるように事前に検証して照射が行われます。治療は原則として通院で行い、毎回の治療に要する時間は数分程度ですが、治療経過中、週1回は担当医による診察を受けていただきます。

期待される治療効果

放射線治療により、①の術後照射では、局所の再発率の低下が期待されます。②の化学放射線療法や③の準根治療法では、腫瘍の縮小あるいは腫瘍消失が得られることがあります。④、⑤の姑息的、緩和的治療の場合は、それぞれ転移した腫瘍の縮小や疼痛が和らぐなど、患者さんのQOL(生活の質)の向上が期待できると思います。

照射に伴う副作用など

照射に伴う局所の反応としては、放射線の当たった皮膚の範囲が赤くなることがありますが、多くは一過性で治療終了後1~2か月でほとんど元の状態に戻ります。
そのほかには全身の倦怠感などを自覚することもありますが、日常生活はほとんど変わりなくすごすことができます。

乳がんの手術後

乳がん術後の経過観察については、3年までは3ヶ月ごと、5年までは半年ごと、10年までは1年ごとの定期検査を行うことが一般的です。
また、経過観察中の検査では、1年ごとのマンモグラフィーが推奨されています。
経過観察についても、主治医の先生にご相談ください。

リンパ浮腫について

リンパ浮腫は、乳がんの手術での腋窩リンパ節郭清や放射線の照射およびがんの転移が原因で、リンパ管がふさがったり圧迫されたりしてリンパの流れが滞ることで起きます。特に、腕から肩の方に流れるリンパ液が流れにくくなると、腕にリンパ液がたまって腫れ上がります。
リンパ浮腫は、乳がん術後2~3年で起きることが多く、10年経過してもおきる方もいらっしゃいます。
リンパ浮腫を防ぐためにセンチネルリンパ節生検という方法も行っていますが、リンパ浮腫を心配するあまり、がん細胞の詰まったリンパ節を取り残すわけにもいかないというのが現実です。
リンパ浮腫を完治するのはなかなか難しいですが、症状の軽減のために、リンパの流れを促す肩の上下運動やボールを握りしめる運動やマッサージや弾性スリーブの着用などをお勧めしています。
また、リンパ浮腫は、早期に適切に対応することによって重症化を防ぎ、ある程度まで症状を改善させることができます。
あきらめてしまわずに、まずは、主治医にご相談ください。

その他 乳がん情報(外部リンク)

第二川崎幸クリニックの乳腺外科医である高橋保正医師が運営しているブログ、ホームページをご紹介します。
乳がんの検診から主治医の選び方、治療、治療後まで、わかりやすくやさしい言葉で解説しています。

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